MEMORIES 感想


『MEMORIES』 5.0 / 5.0 pts ☆☆☆☆☆
【統括STAFF】
製作総指揮、総監督 : 大友克洋
タイトルミュージック : 石野卓球
制作 : マッシュルーム、オニロ、よんどしい
配給 : 松竹
製作 : バンダイビジュアル、松竹、講談社

MEMORIES [DVD]

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 1995年12月23日公開、大友克洋監修のアニメ映画『MEMORIES』(上映時間:110分)は、『Magnetic Rose(彼女の想いで)』、『最臭兵器(Stink Bomb)』、『大砲の街(Cannon Fodder)』の計3話オムニバス形式で構成されています。
 ほぼ同時期の1995年11月に、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』も公開されていました。時代の風潮だったのしょうか?奇しくも『MEMORIES』の1話にあたる『Magnetic Rose(彼女の想いで)』と、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』は、とてもよく似た作品であったように思います。両作品が公開される約10年前、同じく劇場にて一人の少女が「人は土から離れては生きられないのよ」と、人々が求めた理想郷を捨て、土の上で生きて行く覚悟をしました。しかし、その僅か約10年後、記憶を手にした人は、土からも、水からも、果ては自らも離れて、人々或いは個々で求める甘い記憶の世界で生きる選択を可能としました。その問い掛けをした両作品。
 そして、それから約2年後。これまた奇しくもほぼ同時期の1997年7月12日と1997年7月19日に、辛くとも現実を生きて行く選択をした『もののけ姫』と『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』。なんという構図w
 『最臭兵器(Stink Bomb)』は、『老人Z』調でSFブラックコメディ一色。感動のストーリーというのは皆無ですが、コメディを引き立たせる為に総力を挙げて投入された軍事力と火力には、感動という災害が巻き起こる事でしょう。便利だな、感動って。
 『大砲の街(Cannon Fodder)』は、一体何と戦っているのか?日常の描写。セルとデジタルの過渡期という事もあって、今見ると多少違和感を感じてしまう程にまで3DCGが進歩・浸透してしまっているのですが、現代と同等の3DCG技術があれば、大砲は3DCGモデリングにして動かしたかったでしょうね。いくらレイヤーを使ってはいても、1枚絵(平面)が動いているようにしか見えなかったのだけが少し残念ですもの。


『Magnetic Rose(彼女の想いで)』 5.0 / 5.0 pts ☆☆☆☆☆
原作 : 大友克洋
監督 : 森本晃司
脚本、設定 : 今敏
キャラクターデザイン、作画監督 : 井上俊之
音楽 : 菅野よう子
アニメーション制作 : スタジオ4℃

『最臭兵器(Stink Bomb)』 4.5 / 5.0 pts ☆☆☆☆☆
原作、脚本、キャラ原案 : 大友克洋
監督 : 岡村天斎
キャラクターデザイン、作画監督 : 川崎博嗣
メカニックデザイン、メカニック作画監督 : 仲盛文
音楽 : 三宅純
監修 : 川尻善昭
アニメーション制作 : マッドハウス

『大砲の街(Cannon Fodder)』 4.0 / 5.0 pts ☆☆☆☆★
監督、原作、脚本、キャラクター原案、美術 : 大友克洋
キャラクターデザイン、作画監督 : 小原秀一
技術設計 : 片渕須直
音楽 : 長嶌寛幸
アニメーション制作 : スタジオ4℃