ひたぎDEEP

暦 「・・・せ、戦場ヶ原」


ひたぎ 「なぁに? 阿良々木くん」


暦 「そ、その・・・ い、今の・・・だけどさ・・・ し、舌が・・・ あ、いや、ごめん、何でもないよ」


ひたぎ 「あら、何でもないだなんて心外だわ 私は胸の鼓動が治まらず今にもどうにかなってしまいそうだというのに」


暦 「あ、ごめん、いや、そうじゃないんだ さっきの・・・ し、舌が・・・ 舌が・・・は、入ってたような・・・」


ひたぎ 「阿良々木くんと私、お互いの舌と舌、つまり粘膜と粘膜が激しく絡み合っていたわね」


暦 「はは・・・ だ、だよな・・・」


ひたぎ 「 え っ ち 」


暦 「今はアルファベットでも何でも好きな文字で僕を表現してくれて構わない!」


ひたぎ 「 唾 液 魔 人 」


暦 「・・・いや、ちょっと待てよ?その表現と言うか罵りに反応する前に一つだけ言わせてくれ」


ひたぎ 「何? 帰ったら続きをしちゃうのかしら」


暦 「違う!断じて違う! いいか?さっきのキスで舌を入れてきたのは戦場ヶ原、お前の方だっただろ?」


ひたぎ 「・・・? 阿良々木くんから先に入れてきたと思ったのだけれど・・・」


暦 「へ・・・? 僕から?」


ひたぎ 「えぇ・・・ さすがに少し引k・・驚きはしたけれど、阿良々木くんの意向ならと思って応戦してあげたのよ」


暦 「はは、そうか ・・・すごかったよ」


ひたぎ 「そう? それは良かったわ、満足してくれて」


暦 「って、そうじゃない!! いや、満足はしたけどな! 僕が先に舌を入れたって!?」


ひたぎ 「そうよ? “あ・・・来た・・・”と思ったのを覚えているわ “あ・・・来る・・・”だったかしら?」


暦 「なんて生々しくて信憑性のある証言なんだ・・・ (その一方で僕ときたらその時は緊張で記憶が曖昧だし・・・)」


ひたぎ 「・・・ひょっとして阿良々木くん、記憶に無いの?」


暦 「あ、いや、僕は・・・ その・・・えー、戦場ーヶ原さんがー・・・」


ひたぎ 「阿良々木くん? どちらが先に舌を入れたとか入れないとか、阿良々木くんの唾液が異常に多いとか粘性があって気持ち悪いとかそんなのどうでもいい事じゃない」


暦 「・・・気持ち悪いのはどうでもよくないだろ」


ひたぎ 「だからと言ってどうする事もできないでしょう?」


暦 「それは・・・ まぁ確かに・・・」


ひたぎ 「ただ、阿良々木くんが私にしてくれたんだとばかり思っていた事が実はそうではなかった・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「つまり、さっきのキスは阿良々木くんの意識的な行為による結果ではなかったという事」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「その事実を今私が知ってしまった事の方が、私達二人にとっては重要な事になるんじゃないかしら?」


暦 「そ、それは・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・そっか ・・・そうだよな」


ひたぎ 「・・・そうでしょう? わかってくれた?」


暦 「あぁ」


ひたぎ 「そう、それは嬉しいわ」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・戦場ヶ原、悪かった 今度のではっきりさせよう」


ひたぎ 「・・・? 今度の?」


暦 「あぁ、今度 ・・・まぁ次って事だ」


ひたぎ 「・・・次?」


暦 「そう、次」


ひたぎ 「・・・次っていつの事になるんだったかしら?」


暦 「次ってのは・・・


.


.


.


.


.


.


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・ずいぶんと早く来るものなのね」


暦 「そりゃあ・・・ そうだろ」


ひたぎ 「そうなのかしら?」


暦 「お互いに好意を持ってさえいれば、“今度”や“次”なんて機会はTPOも何もわきまえる事無く自ずと二人のところへやって来てくれるものなんじゃないのか?」


ひたぎ 「・・・野獣の詭弁にしか聞こえないわね」


暦 「はは・・・ そういう事にしといてくれ」


ひたぎ 「もっとも、野獣が詭弁を話せるとは到底思えないから阿良々木くんが野獣でない事くらいは分かったつもりでいるけれど・・・」


暦 「はは・・・ 助かるよw」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・阿良々木くん、たぶん今のこれがあなたの言っている事なのよね?」


暦 「ははは、はえーよw」


ひたぎ 「何よ、嫌なの?」


暦 「い、嫌じゃないです」


ひたぎ 「ごめんなさい、愚問だったわね・・・ 嫌だったらこんな機会が来てくれる筈は無いんですものね」


暦 「ははは、そういう事だ」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・・・・」


暦 「・・・・・・」


ひたぎ 「・・・阿良々木くん」


暦 「・・・ん?」


ひたぎ 「唾液の量が異常に多くて粘性があって臭くて気持ち悪い・・・」


暦 「はは、唾液魔人で悪かったよ・・・ って、コラ!なんか増えてるじゃないか!」


ひたぎ 「当然よ だって2回目だもの」